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対談 [(株)トキハバイヤー]安部武洋 × [姫野一郎商店社長]姫野武俊

 

メインの売場は、しいたけ。

それが、ふるさと大分の百貨店のこだわり。

  • “しいたけ”を通して続く姫野一郎商店と大分の百貨店トキハの長い歴史

トキハバイヤーインタビュー①

 

[姫野一郎商店社長]姫野武俊(写真右・以下 姫野

 トキハさんとのお付き合いは、私の父である先代社長の時代から始まって、もう約半世紀くらいの歴史になります。販路拡大を目指していた父がトキハさんに商品を置いてもらいたいと働きかけていたところ、当時の特産品コーナーのご担当者様からお声がけ頂いたと聞いています。

私が引き継いでからは20年くらいになりますが、その間にもたくさんのご担当者様と信頼をもってお付き合いさせて頂き、安部さんにも大変お世話になっています。

 

[(株)トキハバイヤー]安部武洋様(写真左・以下 安部

 私はこのコーナー(大分ふるさとの味)のバイヤーになってまだ3年目ですが、たくさんの先輩方から、姫野さんが大切なお取引先の一つだということは伺っていますし、たとえそれを聞かずに商品の品質だけを見ても、大切にしなければならないということは明らかです。

 

姫野 ありがとうございます。全国的に見ても、これだけしいたけの品揃えをしている販売店はトキハさん以外にないので、私たちにとってもありがたいことです。かつてはこのコーナーで、お歳暮やお中元にビールよりも、しいたけが売れていた時代がありましたよね。

 

トキハバイヤーインタビュー②

 

安部 はい。1980年代に、全国的にも有名になった大分県の取り組み【一村一品運動】が流行した全盛期には、しいたけとカボスやちりめんなど、大分の特産品の詰め合わせも人気だったと聞いています。

 

姫野 その当時、1日何百というご注文を頂いた時期は、当社もトキハさんの営業日に合わせて稼働していましたよ(笑)。

 

安部 そうなんですね! 当時の担当だった先輩たちが既に退職してしまっているので、それは初めて聞いた貴重なお話です(笑)。

近年は時勢柄、その頃ほどの売上げとはいきませんが、それでも贈答用に自家用にと、しいたけをお買い求め頂くお客さまはとても多いんです。大分在住の方はもちろん、出張や旅行で大分に来られた県外客もいらっしゃいます。現在、ふるさとコーナーでは全体で約2000種類の商品を扱っていますが、その全売上げの約40%はしいたけによるものです。だからこそ、トキハ本店地下2階のふるさとコーナーで、昔も今も変わらずメインの売場に据えたいものは、やはり、しいたけなんです。

 

姫野 それを聞くと、トキハさんの名に恥じない良質なしいたけを納品しなければと、気持ちが引き締まりますね。

 

  • しいたけを提供するうえで今、求められているものとは?

トキハバイヤーインタビュー③

 

安部 しいたけにおいては姫野さんのあとに、OSK(大分県椎茸協同組合)さんともお取り引きが始まりましたが、それ以来、ほぼ変わらずこの2社とだけお付き合いさせて頂いてます。

他にも商談はあるものの、しいたけの品質が2社を上回ったり、並んだりするところがなかなかないんですよね。

また、姫野さんとのお付き合いにおいては、しいたけの【品質】はもちろんですが、やはり、しっかりと【量】が揃うというところも大きなポイントだと思います。しかも凄いのが、OSKさんのような組合としてではなく、大分の一企業としてこれだけの【質】と【量】を安定供給出来るということですよね。すばらしいと思います。

 

姫野 当社は、創業当時からのこだわりで、生産者さんから持ち込まれたしいたけを現金で買い付けています。品質の悪いものは買わないし、逆に良ければ相応の金額をお支払いする。これによって生産者との信頼関係を築くことができているので、【質】も【量】も確保できますし、おかげで2代、3代にわたってお付き合いが続いている生産者さんもいるんですよ。トキハさんには、その中でも最も質の良いものを扱って頂いています。

 

安部 姫野さんのしいたけは厚みがあるし、形も色も良いので一つひとつの見た目がまず美しいですよね。それに、どんなものでも「しいたけ」と言って一緒くたに詰めるのではなく、色や形やサイズ別によく選別されています。ですのでギフト向きなんです。

百貨店には贈り物を購入しにご来店頂くお客さまも多いので、そういった質の高い商品は、私たちも自信を持っておすすめすることが出来ます。

 

  • しいたけは首都圏では高級食材!? 選ばれる品種も地域性によって様々

トキハバイヤーインタビュー④

 

姫野 トキハさんには価格も種類も違うたくさんの当社の商品を扱っていただいていますが、売れ筋はどのくらいの価格帯でしょうか?

 

安部 手土産では1000円台のもの、ギフトとなると3000円台ですね。迷われているお客さまにはまず用途をお伺いして、値段と見た目で選ぶ場合もありますが、たとえば煮物やステーキにするんだったら厚みのある「どんこ」を、手軽に使うのであれば戻す時間も少なくて済むので「香信」をおすすめしたりしています。

 

トキハバイヤーインタビュー⑤

 

姫野 そうやってお客様一人ひとりのご要望に合わせおすすめしていただけると、贈る方から贈られる方へ使い方も伝わるでしょうから、嬉しいですね。

不思議なことに、関東の方にお送りするなら見た目の良い「どんこ」が、関西の方にお送りする場合には量も多く手間入らずの「香信」が喜ばれる傾向がありませんか?

 

安部 そうなんです! 関東は見た目重視、関西はボリューム重視と、土地柄によって好みも違いますね(笑)。

因みに、なぜ首都圏へのしいたけの贈り物が多いかというと、トキハが扱っているしいたけと同じような品質のものを東京で購入しようとすると、価格が大分の3倍くらいになるんです。本当にしいたけって高級品なんですよ。中には価格が「高い」と敬遠するお客さまもいらっしゃいますが、しいたけの生産工程を知れば、納得していただけるはずなんですが。

 

  • 手間暇かけて大切に育てた、しいたけの品質

姫野 そうですね。しいたけは原木にする木を切り倒すことに始まり、何万本という原木に何万個もの菌を打ち、ゆっくりと2年かけてやっと生えてくるのですから、皆さんがイメージするより、実は相当な労働量なんです。(詳しくは弊社ホームページ【しいたけの栽培方法】をご覧下さい)

 

姫野一郎商店_しいたけ採取01

 

安部 私もしいたけの生産現場を見学させて頂いたことがありますが、本当に、大変な作業だと思います。原木にあたる日光の加減を調整するため、周囲に立っている木の剪定も行っていると聞きました。何万という原木が規則正しく並んでいて、その美しさにも感動しましたね!

 

姫野 しかも、農薬を使わず自然の営みだけで成長するしいたけは、自然にも人の体にも優しい食べ物なんです。近年は、生産者さんの高齢化が進み、生産コストに見合う価格で販売出来ないと、休業・廃業してしまうケースが増えていますから、消費者の皆様には是非しいたけを頻繁にご購入頂きたいないと。

 

安部 生産現場を見て、私も「これは売らなければ!伝えなければ」と思いました。

最近は、大分に来県される海外からの観光客も増えているので、そういった方々にもたくさんトキハに立ち寄って頂き、しいたけを購入して頂きたいですね。実際、売り場でも中国の方には最高級しいたけの「花どんこ」が人気なんですよ。中国でもしいたけはたくさん売られているのですが、大分のような良質なしいたけはなかなかないそうです。そう考えるといずれは国外への輸出も行いたいですね。

あとは外国人の方に限らず、日本の若い人向けに、しいたけの食べ方の提案もしていきたいし、その部分は姫野さんにもご協力頂きたいところですね。

 

  • しいたけと加工商品の多角化・ブランド化にむけて

姫野 はい、加工品やレシピの開発は、当社がいま最も力を入れているところです。これまでは食べ方をパッケージに直接記入していましたが、今後はQRコードをつけて、スマートフォンで読み取るとレシピページへ移動できるシカケなども考えています。また、現在加工品の開発にも力を入れていまして、そのままおかずとして食べられる「豊後牛と椎茸のしぐれ煮」はTVにも取り上げて頂き、大変人気となっています。

 

姫野一郎商店_お歳暮商品2015_しいたけのしぐれ煮80g

 

安部 「豊後牛と椎茸のしぐれ煮」は、トキハでも売れていますよ。お土産にも重宝していただける商品ですよね。 姫野さん、私、しいたけをさらにブランド化するために、今後は菌種を記して売りたいと思っているんです。良質なしいたけができる菌がありますよね?

 

姫野 「115」とか、ですね。一般の人にはしいたけにも品種があるなんて馴染みがないですが、たとえばトマトは「桃太郎」が美味しいって言われるように、しいたけも「115」が美味しいって言われるようになると、もっと不可価値が付けられるかもしれませんね。

 

トキハバイヤーインタビュー⑥

 

安部 それが実現すれば、しいたけがなぜ高いか、トキハで扱っているものがなぜ美味しいか、もっと理解していただけると思うんです。お恥ずかしい話、私も、バイヤーになったばかりの頃は、しいたけのことなんて全く知識がなくて、何が違うのか分からなかったんです。でも本物を知ると、見た目も味も全く違うことが分かってきました。

 

  • すべては「信頼」のために

姫野 「トキハさんなら本物のしいたけが買える」というお客さまへの信頼を裏切らないよう、当社としても【トキハ品質】のしいたけを選び抜いて納品していきたいというのが、私どもの使命です。また、本物がわかるお客様から愛され続けているトキハさんに商品を置いていただいていることは、姫野一郎商店にとって大きな誇りであり自信にもつながっています。

 

安部 トキハとしても、姫野さんとのお取引きは大変重要です。お客様からの信頼を絶対に裏切らないためにも、売場での、しいたけの売上げの良し悪しに関係なく、ふるさとコーナーの中心には、大分が他県に誇る、良質なしいたけが揃う売り場が必要不可欠なんです。確かな品質のしいたけがあってこそ、大分の土産売場が成り立つのですから。

 

大分が誇る特産品は、売場でもいちばんの面積をかけて販売していきたいですね。それが、ふるさとのデパートトキハとして、世代を超えてお客様から支持され、受け継がれてきたプライドです。

 

トキハバイヤーインタビュー⑥

 

トキハ本店

大分県大分市府内町2-1-4

http://www.tokiwa-dept.co.jp/

 

text=姫野一郎商店